四十年以上前の母子手帳でふるい分けちゃうわけ?(怒) - 慢性B型肝炎訴訟
おいおいって感じです。
母子手帳以外の証明方法を提示―B型肝炎訴訟で国が和解案
医療介護CBニュース 9月1日(水)19時20分配信
集団予防接種での注射針の使い回しでB型肝炎に感染したとして、患者などが国に損害賠償を求めている訴訟で、国側は9月1日、母子健康手帳を提出できな い場合の集団予防接種を受けたことの証明方法を、市区町村が保存する予防接種台帳などとする和解案の全体像を初めて示した。予防接種台帳が保存されていな い場合には、接種痕についての医師の意見書や、接種状況を説明した本人や家族などの陳述書などで総合的に判断するとした。
和解案は、同日の札幌地裁での和解協議で示された。
厚生労働省によると、接種者のうち接種痕が残っているのは、40歳以上で約8割、40歳未満で約4-5割との調査結果があるという。
長妻昭厚労相は同日、記者団に対し、「接種痕が残るはずの接種をしても、接種痕が消える人もいることが文献で明らかになっている」と述べ、こうした人の取り扱いについて今後の和解協議で話し合うべきだとの認識を示した。和解案では、具体的な和解金額は明記していないが、2006年に最高裁が国の責任を認め、患者5人への各550万円の支払いを命じた判決を踏まえた合理的な水準に設定する方針を示している。
感染したが発症していない「無症候性キャリア」については、定期検査や出産の際の妊婦検査、新生児へのワクチン接種の費用を助成するが、賠償の対象には せず、発症した場合に一時金を支給するとした。理由としては、「B型肝炎のキャリアは、C型肝炎に比べて慢性肝炎などを発症する割合が相当程度低い」こと などを挙げている。
この訴訟が和解という展開になってから、ぼくは、おそらく母子手帳の存在が大きな分かれ目になると思っていました。
で、母親に電話して聞いてみたんですが、母も「ニュースで見て、気になって探したんだけどさ、そんな四十年以上も前の母子手帳なんてどこに行ったか分からないよ。古い荷物を全部調べたけど見つからない」とのこと。
そりゃそうです。乳児育てているときは母子手帳は誰でもきちんと保管&管理しますが、誰がそんなもの四十数年後に必要になると思いますか?? 捨てちゃってる人は大勢居ますよ。
予防接種の痕に至っては、もう笑うしかないです。腕を鏡で見てみましたが、子どもの頃の喧嘩の傷とか、風邪をひいて受けた注射痕が化膿して残ってしまった傷とか、色んな小さな痕が残ってます。どれが予防接種で、どれが予防接種じゃないのかなんて、誰が鑑定できるんでしょうか? そもそも消えてる人もいくらでもいるという話だし。
そんな原始的な、出来の悪い探偵小説みたいな方法に頼るのってどうよ??
うちの母が受話器越しに怒って言った台詞(ぼくに怒っても仕方ないんだが……苦笑)が、一番妥当でしょう。
「あの頃、国がそれぞれの予防接種を『必ず受けさせなさい。母親の義務です。受けさせずに子どもが病期に罹ったら親の責任です』って強制的に受けるように指示してて、それにみんな従ったんだから、母子手帳があろうとなかろうと、受けてるに決まってるでしょうが!!(怒)」
「それに、国側にとって母子手帳がそんな決定的な記録になるんだったら、どうして『必ず一生保管してください』って母親に義務を課さないの? 保管しろ、とは言わずにいて、四十年以上も経ってから、母子手帳がないと対象者かどうか分からない、なんて、まるでこっちの落ち度みたいじゃないの!(怒)」
ですって。分かりましたか?>>政府
これで最終的に母子手帳の有無が線引きになったりしたら、きっと第二次訴訟が起こると思っています。国の新たな過失責任を問う患者が出るに決まってます。
それに「感染したが発症していない『無症候性キャリア』は賠償の対象にしない」って、無形の損害をちゃんと考慮していないっしょ?
いいですか? 例えば何かの検査でも献血でもいい。ウィルスマーカーでHBV抗原が出てたら、生命保険に加入する際にそれを申告しないといけないんですよ。そして保険会社によっては「審査の結果、誠に申し訳ありませんが加入をお断りさせていただくことになりました」と答えが返ってきたりするんです。どうして審査に引っかかったのか尋ねても、保険会社は答える義務もないし、ほとんどの場合答えません。別にHBVを判断材料にしたと答えなくてもいいんです。
いまは出産時に母子感染で子どもにHBVがうつることはありません。その対策は医療上は確立しています。それでも、たとえば、お見合いの時に相手がHBVを持っていると知ったら、それをまったく結婚の判断材料にしないでしょうか? 多くの人は必ず、大なり小なり悩むと思います。
また、まだまだ、急性B型肝炎と慢性B型肝炎の違いは社会的に認知されていなくて、性感染が原因だろうと白い目で見られることはあるんです。この辺のメカニズムについては過去記事「B型肝炎訴訟和解勧告 - 国が不治の病を蔓延させた - なぜ慢性B型肝炎にかかるか」で書きましたので参考にしてください。
付け加えておくと、急性B型肝炎にしても、イコールすべて性感染ではありませんので念のため。
これらの例のように、HBVを持っているということは、発症していなくても、社会的に被害を受けることはたくさんあるんです。「発症してないんだから文句ないだろう」的な発想は、非常に無責任であるといえます。
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