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小説「ロスタイム」(2)

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 携帯を取り出して、液晶画面を見ると、番号非通知と表示されている。誰だろう?
 携帯電話を耳に押し当てた。ものすごい喧騒なので反対側の耳を手で塞いだ。
「もしもし」
「やあ、24番」電話の向こうの声が言った。知らない声だ。おれは、MFの岡島のファンで、レプリカユニフォームも、彼と同じ背番号24を愛用している。
「誰だ?あんた」
「ただの暇人だ、24番」
「いたずらか?切るぞ」おれは少し腹が立った。
「おっと切るな。後悔するぞ」
「どういう意味だ?」
「24番、わたしはいま、口径七.六ミリのライフル銃できみを狙っているんだよ」
「たちの悪いいたずらだな。ふざけるのもいい加減にしろ」
「まあ信じてもらえないのも仕方ないか。君の胸を見てみろ」
 おれは、自分の胸を見下ろした。
 赤い輝点が、レプリカユニフォームのみぞおちのところに当たっていた。おれは驚いた。
 男は言った。
「赤い光が見えるだろう、24番。それはわたしのライフルについているレーザー照準器の光だ」
 おれは少しずつ怯え始めていた。どこだ?どこからおれを見ているんだ?向かい側のスタンド席に目を凝らした。だが、熱狂する大観衆で埋め尽くされており、まるで分からない。
「嘘だ。日本でそう簡単にライフル銃なんか持てるはずがない」半分、自分に言い聞かせるように言った。
「ところが事実わたしは持っている。証明しよう。君はビールの空き缶を持っているだろう。それを持ち上げてみるといい」
 おれはおずおずと、缶を肩より上に持ち上げた。
 胸にあった赤い輝点が、舐めるように、肩に移動し、直角に曲げた肘を辿って手先まで移動していった。
 そして、輝点は缶に当たった。銀色の缶が赤い光を受けて目映く輝いた。
 途端に、缶はおれの手から吹き飛び、軽い音を立てて後ろの通路に落ちた。
 振り返っておれは息を呑んだ。缶のど真ん中に丸い穴が開いている。
「判っただろう、24番。わたしは冗談を言ってるのではない。君はその席から移動してはならない。逆らうとその空き缶と同じ運命になるぞ」

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コメント

わ~。。。サスペンスものですね?!
ドキドキします!!!
続きが楽しみです!!!

投稿: かずな | 2007.12.18 17:24

かずなさん

こういうの好きですか?(笑)
書いていても楽しいです。

投稿: >かずなさん | 2007.12.21 19:53

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