小説「ひとこと言うたるわ」(01)~プロローグ1/5
*
半年前、涼子と浩太は、その「私立陽光学園付属小学校」の前に立っていた。真新しい校舎、どこかの教室で演奏しているブラスバンドの音、校門から出て行く子供たち。その子らは皆、制服である濃紺のブレザーとワインカラーのネクタイを締めていた。 涼子は浩太に言った。
「どうや、ここって、きれいな小学校やろ?」
「うん」浩太も雰囲気に魅せられたようだった。
「ここはな、きれいなだけやなく、ええ学校なんや。勉強だけやなく、いろいろええ事をぎょうさん教えてくれはる学校なんやで」
「ふーん」
「お母ちゃんはな、浩太に、この学校に入ってほしいんや」
「ぼくでも入れるのん?」浩太の瞳がキラキラと光った。
「入れるて。お母ちゃんもがんばって働くから」
----------------------------------------------------------------
■関連記事
| 不定期連載小説目次 | 進む >>
| 固定リンク
「小説」カテゴリの記事
- Yasushi 眠る(2006.02.08)
- ブルースカイシンドローム2(2009.03.05)
- 不定期連載小説 目次(2004.08.02)
- 小説「狼たちの夜」前編(2008.02.05)
- 小説「狼たちの夜」後編(2008.02.20)

コメント