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小説「ひとこと言うたるわ」(01)~プロローグ1/5

「走れ!蘭」は思うところがあって、当面のあいだ休載とします。すみません。
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「ひとこと言うたるわ」

●プロローグ(1/5)

                           by Yasushi

 まだ2月なのにやけに太陽がまぶしい。西館涼子は額に汗を浮かべながら自転車を漕いでいた。後ろには5歳の浩太が乗っている。自転車に乗るとズボンの裾が汚れるため、半ズボンをはかせている。向こうに着いたら、ゆうべ入念にアイロンがけして用意した長ズボンに替えさせるつもりだ。

              *

 半年前、涼子と浩太は、その「私立陽光学園付属小学校」の前に立っていた。真新しい校舎、どこかの教室で演奏しているブラスバンドの音、校門から出て行く子供たち。その子らは皆、制服である濃紺のブレザーとワインカラーのネクタイを締めていた。 涼子は浩太に言った。
「どうや、ここって、きれいな小学校やろ?」
「うん」浩太も雰囲気に魅せられたようだった。
「ここはな、きれいなだけやなく、ええ学校なんや。勉強だけやなく、いろいろええ事をぎょうさん教えてくれはる学校なんやで」
「ふーん」
「お母ちゃんはな、浩太に、この学校に入ってほしいんや」
「ぼくでも入れるのん?」浩太の瞳がキラキラと光った。
「入れるて。お母ちゃんもがんばって働くから」

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